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2008年5月22日 (木)

帯状疱疹顛末(その6)~入院3日目①

●4月18日(金)

ジジイの怒号を聞いた衝撃から、眠りにつくことが出来ない。夜10時からの点滴の時も眠れないでいた。

どれぐらいの時間が経ったか分からないが、そのうちに、頭が痛み出してきた。ナースコールで呼んで、蒸しタオルを持ってきてもらい、患部に当てる。頭は右手で蒸しタオルを押さえて温める一方、腰のあたりは左手でアイスノンを押さえて冷やすという、結構苦しい状況で維持する。

ところが、そんな体勢を続けているうちに、寒気がしだしたので、アイスノンをベッドの下に放り出す。患部が痛み出したのも、寒気がしだしたのも、みんな、あのジジイの所為だと思い、ジジイに対して憎しみの感情が湧いてくる。結局、朝までまともな眠りにつけずにいた。

起床直後、採血があった。血を抜きながら、マリエさんが「眠れましたか?」と聞いてきたのだけど、ウソを言ってはいけないと思い、「昨晩のあの騒ぎを聞いてから、熱っぽくなって眠れなくなった」と伝えた。「申し訳ありません」と謝るマリエさんに対し、「いや、あのジジイが悪いんだよ」と、カーテンの外に声が漏れないように小声で言う。

マリエさんはおとなしそうな感じなので、誰でも物が言い易いのか、ワタシも「ストレスが原因でなった病気なのに、病室でもストレスを感じてしまったら、もっと悪くなってしまうよ」と愚痴をこぼしてしまう。そんなことを言ったりしたバチが当たったのか、起床時の体温は38℃台に突入。夜中にアイスノンを放り出してしまったことをマリエさんに話したら、「アイスノンを太ももで挟んでください」とのこと。これなら、片手が空くので良さそうだ。引き続いて、朝食前の点滴を行う。

点滴を受けながら、ふと「痛みが退かず、熱も高いからといって、愚痴をこぼすようなマイナーな気持ちになってはダメだ」と思い、悪態をついたジジイを反面教師として、ワタシは、さわやかに、カーテンの向こうのジジイにも聞こえるよう、これまで以上に大きな声でお礼を言うことにした。さっそく、朝食が運ばれてきた際に、「どうもありがとうございまーす!」と、他の面々に聞こえるように言う。

熱が高くて、汗だか涙だか鼻水だか分からないものがダラダラと流れて口の中に入り込んできたけど、朝食は全部食べきった。一日の初めの朝食だけは、きちんと食べようと思う。

この日の昼の担当看護師さんは、ベテランっぽいS藤さんと、新人のY川さん。2人にも、「よろしくお願いしま~す!」と元気に挨拶。ついでに、アイスノンが温まってしまったことを伝えると、「アイスノンが不足してますので。これのほうが持続時間が長いはずですよ」と、氷まくらを持ってきてくれました。最近ではあまり見ることがなかったので、非常に懐かしい。氷まくらを股に挟んで、横になる。

午前中は、この日もやることが少ない。前日と同様に、新人研修の一環として、着替えと身体拭きがあった。前の晩から熱っぽかったので、下着だけでなくパジャマも、かなり汗で湿っていた。

他、シーツや枕カバーの交換もあった。交換している間、ベッドの脇にある椅子に座って作業が終わるのを待っている時に、急に悪寒がしだした。風邪が酷いときと同じ症状だ。そんな状態でも、交換が終わった後は、「ありがとうございま~す!」と気力を振り絞って お礼を言う。

昼食には、おかずにカレイの煮付けが出たのだが、骨から上の半分しか食べられなかった。箸を持つのもダルくて、骨から身をはがす気力がなかった。そして、ついに、昼食後の検温で、体温が39℃台にまで上昇。食後に鎮痛解熱剤を飲んでいるにもかかわらず、この体温は結構な状態。「抗生物質の点滴を追加しましょう」ということになった。

この日、母親は、午後一番の早い時間帯にやって来た。来るなり、「ひどい顔になったわねぇ」という。ダルさで重たい身体を引きずるようにして、歯みがきをしに行き、鏡を見ると、確かにひどい。髪の生え際からまぶたにかけて、右半分だけが腫れ上がっている。目の周りにパンチを食らったボクサーのような顔だ。

点滴を増やしたことにより、午後2時からの点滴は早まって開始。点滴を始めたところで、麻酔科からの呼び出し。「点滴打ちながら、ブロック注射しても良いんですかね?」と、ベテランのS藤さんも不安げ。念のため、麻酔科に確認してもらうと、「問題ない」ということで、新人看護師のY川さんが車椅子を押してくれて、ワタシは点滴を支えながら、麻酔科へ。ここで、母親は帰って行った。

麻酔科では、ベテランの先生(M先生)がこの日の担当でした。先生は、腫れているところに、消毒用の湿った脱脂綿を当てて、「冷たいの、感じる?」と聞いてきましたが、全く冷たさを感じません。触られても分からない。完全にまひしています。先生は、「まだまだ、先は長いぞ~」とおっしゃる。そして、首に注射。これまでに受けた2回のブロック注射よりも、時間が短く感じられました。注射後は安静にする。

安静にしていた時間が長かったせいか、点滴が終わってしまった。小顔の看護師さん(ヤブさん)が、生理食塩水をつないでくれて、「もう大丈夫ですよ」ということで、車椅子に座って、迎えに来てもらうのを待つ。前の日と同じ、食事を給仕してくれるおばさんが迎えに来てくれて、病室へと戻る。病室に戻る途中、悪態をついたジジイとすれ違う。ふらふらと歩き回っているようだ。「おい、人の顔をジロジロ見るな!」と、心の中で叫ぶ。

病室に戻ってからは、引き続いて、抗生物質の点滴。点滴をしている最中は冷静になれるのか、ここで、このブログにアップすることを思いつく。携帯電話の電源を入れると、予備校時代の友人からのメッセージが数々。前の晩に、見舞いに来てくれたらしいが、かかっている科も病室も分からないから門前払いを食らったとのこと。きちんと返信する。そして、ブログにもアップする。

つづく

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