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2008年6月10日 (火)

帯状疱疹顛末(その8)~入院4日目①

●4月19日(土)

寝付きは良かったのだが、夜中に、やはり、患部の痛みで目が覚めた。時計を見ると、3時半過ぎ。前の晩も、このくらいの時間に痛み出したのだろうか? ただ、前の晩のように、蒸しタオルを当てたくなるような酷さの痛みではない。それに、夜9時過ぎに寝付いてから、すでに6時間以上経っているから、これだと、普段の生活の睡眠時間以上だ。そう思うと、気が楽になり、6時の起床時間までは、何とか、やり過ごせそうだ。

朝5時を過ぎると、あちこちの病室から、もそもそと起きだして、トイレに行く人たちが出だす。ワタシも、起床時間より前にトイレに行ってみる。

「おお!昨日と違って、身体が軽い!」

用を済ませて、病室に戻り、自主的に体温を測ってみると、37℃ぐらいまで下がっていた。抗生物質の点滴って、そんなにスゴイのかなと思う。

起床後、検温と血圧測定の後、点滴。やはり2本続けて。これまでは、痛みに耐えるので精一杯で、点滴の本数のことを考える余裕など無かったけれど、数えてみると、1日あたり3回で、前の日から2種類になったので、計6本。1回の点滴で1時間程度かかっているようなので、1日24時間の4分の1は点滴を受けていることになるようだ。

点滴2本が終わり、ようやく朝食の時間。同じ部屋の他の爺さんたちは、もう食べ始めている。熱が下がったので、前の日のように、汗やら鼻水やらがダラダラ流れてくることもなく、すがすがしい。

ワタシがまだ朝食を摂っている間に、この日の昼間の担当看護師さんが病室にやって来た。ワタシは、顔半分が酷くなっているのを見られたくないのと、人が行き来するのがチラチラ見えるのが嫌なので、ベッドの回りのカーテンはきっちり閉めていた。

「担当のわたなべです。よろしくお願いします♪」

元教師の爺さん「あなたも、わたなべさん?」

コマネズミ「あぁ、よろしく~」

などと、カーテン越しに聞こえる爺さんたちの返事はデレデレしていて、かわいい声の看護師さんの登場に、朝からゴキゲンのようだ。

そして、ワタシがパンをかっ食らっている時に、カーテンを開けて、看護師のわたなべさんが入ってきた。

「Burdさん、おはようございます♪」

(「おっ! 若い!」)

ワタシは、パンを持つ手が止まり、かしこまってしまった。爺さんたちがゴキゲンになるのもわかる容姿だ。バレーボールの宝来選手に似ている。

「おはようございまーす」

「目薬はどこですか?」

「テレビの上です」

「あっ、お食事は続けてていいですよ♪」

「はい」

「今日一日、よろしくお願いします♪」

「よろしくお願いしまーす」

--------------------

コマネズミ爺さんは、許可をもらって、30分程度の外出をする予定のようだ。それに、「今日は、孫が見舞いに来てくれるかなぁ?」と、楽しみにしている様子。元教師の爺さんは、皮膚科の検査入院のようで、基本的には元気。他の階の自動販売機コーナーの隣にある図書室に行き、本を読んだりしているようだ。隣のベッドの方は、看護師さんの呼びかけには、言葉を返さないけど、トイレには、自分で歩いて行っているようなので、寝たきりというわけではなさそうだ。

朝の皮膚科の先生の回診で、「石鹸を泡立てて、患部を、撫でるように洗っても良いですよ」と言われたので、朝食後の歯みがきの際に、洗面所の水石鹸を泡立てて、鏡を見ながら、患部を恐る恐る擦ってみる。それにしても、酷い顔だ。キレイに洗えたかどうかは分からないが、こういう許可が出たということは、症状としては、ピークを過ぎて、快方に向かっているんだなと、やや前向きな気持ちになる。

昼食までの時間は、点滴も無く、また、土曜日ということで、診察や検査の予定も無いので、ワタシは、ここぞとばかりに、ベッドの上で怠惰な時間を過ごした。幸か不幸か、携帯電話は電池が切れていて、何も見ることができない。1週前の土曜日あたりから充電をしておらず、また、月曜日に痛みが酷くて実家に転がり込んで、そこから入院したので、充電アダプターを持って来ていないのだ。また、だいぶ楽になったとはいえ、右眼の周囲は相変わらず痛いので、テレビを見ようという気にもならなかった。リュックの中に、社会保険労務士講座を録音をしたICレコーダーが有ったのを思い出して、聞いてみるが、10秒も経たずに、アタマにひびいて止める。

結局、午前中は、看護師さんが目薬を点しに来たくらいで、あとは何もなく、ベッドで横になりながら、昼食を迎える。熱が下がると、食欲は回復するのか、昼食はあっさりと完食。量的に物足りなさも感じるが、入院中だと、十分な量なんだろう。

昼食後、トイレやら歯みがきやら洗顔を、のんびりと済ませて、病室に戻ってくると、病室内の椅子やテーブルが廊下に出されて、ワックス掛けが始まっていた。ワックス掛けを行なうことは、午前中からアナウンスしていた。ワタシは、廊下の手スリに寄りかかって、作業が終わるのを待つ。前日のシーツ交換の時は、悪寒がして参ったが、今日は大丈夫だ。コマネズミの名前は「Y爺さん」だというのは知っていたが、病室の入口のネームプレートを見て、元教師の爺さんは「T爺さん」、隣のベッドの方は「Hさん」だと知る。

ワタシの病室の面々のテーブルを見ると、切り花が生けてあるコップがある。濃い黄色のバラのようだ。奥さんか娘さんか、女の人でないと選ばないような色。ワタシは、テーブルを引き寄せるのがおっくうなくらいに弱っていたから、このような花を飾っても邪魔になっただけだなと思ったし、そうではなくても、看護師さん一人ひとりが「花」みたいなものだな。と、負け惜しみに近いような感情が浮かんだ(笑)

黄色い花に近づいて見てみると、テーブルに、判別のために「Y爺さん」の名前が書かれたテープが貼られている。「(悪態をついた)Y爺には、こんな花は似合わないだろ!」と、誰も見ていないのを見計らって、ワタシは、溜まっていた××クソをほじって、黄色い花の上にパラパラと、憎しみをこめて落としてやった。

ワックス掛けが終わり、ワタシは、自分のベッドに戻る前に、初めて、病室の窓際まで行き、病室からの景色を眺めた。(撮影日時は違いますが、こんな風景) くっきりと晴れ渡った日には、前方に筑波山が見えるらしい。窓際のHさんは、横になってテレビを見ていた。やはり、お爺さん。4人部屋で、ワタシ以外の3人は、皆、高齢者だ。

カーテンが開いている反対側のベッドを、ふと見ると、コマネズミが昼寝中。「なんだ、外出してたんじゃなかったのか??」

窓際で、コマネズミの悪口をつぶやかなくて良かった。危うく、ワタシが、コマネズミに悪態をつくところだった。

つづく

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